多摩地域 伝統文化・芸能紹介

稲城市

Inagi City

稲城市 01/04

江戸の里神楽

国指定重要無形民俗文化財に指定されている「江戸の里神楽」は、稲城市矢野口の穴澤天神社(あなざわてんじんしゃ)で毎年8月下旬の例大祭の日に奉納されます。この里神楽は、穴澤天神社の神官である山本家に代々伝承されているもので、初代山本権律師弘信(やまもとごんりつしひろのぶ)が創始した応安6年(1373年)までさかのぼり、現在の家元山本頼信氏は十九代にあたります。
山本頼信社中の江戸の里神楽は、穴澤天神社のほかに府中市大國魂神社例大祭をはじめ、多摩川流域の約20か所の神社祭礼でも奉納されます。江戸の里神楽の演目は、最盛期の江戸時代後期文化文政期には100座を超える演目があったと言われます。明治7年には里神楽の天覧が行われ、演目の考査により25座の演目が許可となり、この25座が里神楽の基本として伝承され、現在は27座が演じられます。
演目の内容は古代神話を題材にしたものがほとんどですが、明治以降につくられた、鬼女紅葉の伝説を題材とした「紅葉狩」なども含まれます。
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稲城市 02/04

蛇より行事

蛇より行事は、毎年8月7日に稲城市百村の妙見尊境内で行われます。青萱(あおがや)を刈り取り、長さ100〜150m程の大蛇の形に撚りあげ、厄除けの祈願を行う行事で、江戸時代初期の寛文2年(1662年)から行われています。
北辰妙見尊の北斗七星信仰になぞらえ、百村地域の7名の旧村民が集まり、午前中に萱場(かやば)から青萱を刈り取って乾かし、午後から奉賛会の人々と一緒に大蛇の形に撚りあげ、頭部とつなぎ、妙見寺住職の魂入れによって完成します。完成した大蛇は、妙見尊の鳥居から本殿に上がる石段に沿って安置され、厄除けの祈願が行われます。その際、大蛇を担いだり、触れたりすると災難や病患から免れると信仰されています。
北辰妙見尊は、延宝5年(1677年)から妙見寺が別当として管理していて、江戸時代からの神仏混交を現在に伝えていて、蛇より行事は、お宮である妙見尊の行事を妙見寺の住職が執り行う珍しい行事として平成4年に東京都の無形民俗文化財に指定されました。
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稲城市 03/04

あおじんじゃまい

青渭神社獅子舞は、毎年10月の第1日曜日の青渭神社例大祭の日に奉納されます。獅子舞の由来についての資料はありませんが、安永4年(1775年)に長沼村の青渭神社祭礼で奉納された獅子舞がもとで起きた事件について記録された古文書があることから、獅子舞の起源がこの時期よりもさかのぼることは確かです。
獅子舞の構成は、大獅子・求獅子(きゅうじし)・女獅子の3頭と天狗により、大獅子(雄獅子)には剣形の角、求獅子(雄獅子)にはねじれ形の角がつき、女獅子(雌獅子)には角はつきません。これら3頭の獅子は、それぞれ武州御嶽(ぶしゅうみたけ)の神、鎮守青沼(ちんじゅあおぬま)の神、相州大山(そうしゅうおおやま)の神をかたどると言われています。天狗は赤襷(あかだすき)をかけ、右手に団扇(うちわ)、左手に瓢箪(ひょうたん)を持ちます。
獅子舞の行事の流れは、例大祭前日の揃い獅子から始まり、例大祭当日は、青渭神社の鳥居から社殿前につくられた土俵を中心にして、天狗の七度半返し、獅子と天狗の掛け合いなど見どころがたくさんあります。
  • 青渭神社獅子舞
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稲城市 04/04

穴澤天神社獅子舞

穴澤天神社獅子舞は、毎年8月下旬の穴澤天神社例大祭の日に奉納されます。現在は25日に近い日曜日が例大祭で、この日に獅子舞が奉納されています。獅子頭や天狗の瓢箪に刻まれた年号から、すでに江戸時代から獅子舞が行われていたことは確かと言えます。
獅子舞の構成は、大獅子・求獅子・女獅子の3頭と天狗により、大獅子(雄獅子)には剣形の角、求獅子(雄獅子)にはねじれ形の角がつき、女獅子(雌獅子)には角はつきません。天狗は赤襷をかけ、右手に団扇、左手に瓢箪を持ちます。
獅子舞の行事の流れは、例大祭の前日に矢野口地域を練り歩いて獅子舞を披露することから始まります(揃い獅子)。祭礼の当日は、穴澤天神社の鳥居から神社までの急な階段を舞いながら登り、社殿前の土俵に向かいます。社殿前の土俵への天狗の七度半返し(ななどはんがえし)、土俵での獅子と天狗の掛け合いなどの大きな見せ場がいくつもあり、囃子によって盛り上げられます。
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