高木獅子舞は、江戸時代より毎年9月に行われる高木神社例祭の祭礼として奉納されてきました。昔、悪疫が流行したとき、その退散を祈願して踊られたのが始まりと伝えられています。獅子舞の行列は、高木神社隣の明楽寺跡である現在の社務所で支度をととのえ、狐の先導で四人の簓子(ささらこ)、二頭の雄獅子、一頭の雌獅子、笛数人、唄数人の順で村役の先導にて練り歩き、神社前庭に進みます。杉の大木の繁る境内での、青竹を四本立て、しめ縄を張った土俵の上で、笛の音や歌に合わせ演ずる獅子舞は勇壮なもので、かつては村の若者が競って晴れ舞台を踏むのを誇りにしていたほど盛んだったと言われています。
この地域の農業の衰退や住宅急増などにともない、地域における祭りも影がうすくなり、昭和33年を最後に一時は中断してしまいました。
しかし、継承者の高齢化に危機感を持った郷土史研究家などが世話役となって後継者グループをとりまとめ、笛・太鼓・踊り手の育成を進めてきました。現在は「高木獅子舞保存会」によって受け継がれています。