東村山市の無形民俗文化財として指定されている祭囃子は、現在、市内の6つの団体が担っています。東村山市は、西から廻り田村、野口村、久米川村、大岱村、南秋津村の5つの村が合併して生まれました。祭囃子の団体はこの5つの旧村域に1団体ずつあり、野口村にだけもう1団体ある形です。かつては、廻り田・大岱・南秋津が鈴木囃子、その他が重松流祭囃子でしたが、東村山市祭囃子保存連合協議会が昭和42年に結成される頃には、全てが重松流囃子となりました。重松流は、「屋台囃子」等では締太鼓(ツケ)が「ジ」と「カラミ」で異なる旋律を奏でたり、即興的に叩き方を変えていく等の特徴があります。また、「ケンカ囃子」とも称され、囃子連同士が演奏しあって競う「ひっかわせ」が行われることもある(東村山では同じ囃子連同士で行なうこともあります)、威勢のよい祭囃子です。ジャズのセッションのような即興性や、腕を競い合う、という要素が重松流祭囃子の、大きな見どころとも言えるでしょう。各団体はそれぞれの地域の神社等のお祭りで活躍しています。